日常化するハッカーテロ ―親パレスチナのハッカー、チャットGPT攻撃―

理事長 川上高司(Dr. Takashi Kawakami)

「アノミマススーダン」が「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIにサイバー攻撃を仕掛け、「チャットGPT」サービスに7月8日に障害が出た。このDDoS攻撃では3万5000台以上のパソコンやサーバーを乗っ取り、「オープンAI」のサイトに1秒間で最大1億回のデータ送信した。

「アノニマススーダン」は、親パレスチナを名乗るアフリカ北東部スーダンのハッカー集団(メンバー全員がスーダン出身者)であり、攻撃の理由は、は「チャットGPT」がパレスチナ問題に偏見があり、親パレスチナの立場から攻撃したとされる。「アノニマススーダン」はスーダンとイスラム教の防衛が活動目的だとし、どこからも資金援助を受けていないと説明した。 そもそも「アノニマス」は世界的に有名なハッカー集団であり、2006年に結成されたインターネット上の「ハクティビスト」(ハッカーと活動家―アクティビストーを掛け合わせた造語でハッカー思想の実践者)の国際的な連携組織である。現在、のハマスとイスラエル戦争で「ハクティビスト」は二派に分かれ、それぞれサイバー上で戦闘を大なっている。パレスチナ支援とイスラエル支援の双方で100以上の「ハクティビスト」がグローバルに活動する。日本の企業や政府機関のウェブサイトも狙われた(NTTセキュリティ・ジャパン)、日本がイスラエルを支援しているとして、「アノニマススーダン」がサイバー攻撃を検討していると声明を出していることである。