

日本外交政策学会の重要なミッションであり、定期的に実施している政策・軍事シミュレーション「ポリミリ・ゲーム」。
ご承知の通り、川上高司理事長の内閣官房参与就任期間に伴い、当学会は約1年の休眠期間がありましたが、この度、活動を再開。第4回となるポリミリゲームを、2026年1月16日(金)に開催することとなりました。
ポリミリ・ゲームとは、政治家、外交・安全保障の専門家、実務経験者らが集い、日本(官邸)、アメリカ、中国、台湾などといった主要アクターに分かれ、特定の有事シナリオのもとで、どのような判断を下し、どのような対応・交渉を行うのかを実践形式で検証する政策・軍事シミュレーションです。
そこで導き出された結果は、日本外交政策学会としての分析・政策提言の基盤となる、極めて重要な知的成果でもあります。
第4回目のテーマは、台湾危機を契機に、日本が「存立危機事態」を認定したとき、国家と社会はどう変わるのかをシミュレーションしていきます。有事への第一歩となるこの判断は、国民の生命と財産を脅かす戦後最大級の危機を意味します。
■第4回ポリミリのテーマ
「台湾危機における存立危機事態認定後、日本はどうなる?」

現在、日本を取り巻く安全保障環境は、戦後でも例を見ないほど緊迫しています。
高市総理による「存立危機事態」に関する発言を契機として、日中関係はかつてない水準まで悪化しました。台湾情勢を含む東アジアの安全保障リスクは、もはや抽象的な仮定ではなく、日本が現実に直面し得る有事のシナリオとして語られる段階に入っています。
では、もし台湾危機を受けて日本政府が「存立危機事態」を認定した場合、日本は具体的にどうなるのか。
存立危機事態の認定は、単なる政治的メッセージではありません。
それは、日本が有事(戦争)へと踏み出す最初の制度的ステップであり、国民の生命・財産・生活そのものが、国家安全保障の名のもとに再編されることを意味します。
言い換えれば、戦後日本が経験したことのない、最大級の危機的状況への入口です。
そのとき、
- 日本国内では、どの法律が発動され、国家権限はどこまで拡張されるのか
- 国民生活、重要インフラ、情報空間は、どの段階で、どのような影響を受けるのか
- 各国の間で展開される認知戦はどのようなものになるのか
- 中国と実質的な戦闘状態に入った場合、日本は軍事的・情報的に有利に事態を運べるのか
- アメリカはどこまで関与するのか。台湾や韓国はどのような対応を取るのか
- 同盟国の利害と日本の国益が一致しない局面で、日本は主体的な判断を下せるのか
といった、本来は事前に検証されるべき論点が、一気に現実の課題として噴出します。
しかし現実には、日本社会はこうした問いに対し、十分な準備や共通認識を持たないまま、事態を迎える可能性があります。
今回の第4回ポリミリゲームは、この現実を前提に、
「存立危機事態が認定された後、日本という国家は本当に機能するのか」
「どこで意思決定が滞り、どこで統治の限界が露呈するのか」
などといった論点を、机上の空論ではなく、政策・軍事・情報・認知といった複合的観点から実践的に検証します。
■ポリミリ直後に行う「ラップアップ・プラス」とは
本ポリミリゲームの終了直後、その内容と成果をいち早く共有・整理する公式報告会「ラップアップ・プラス」を日本外交政策学会の会員限定で開催いたします。
本会の最大の特徴は、ポリミリ終了直後というタイミングにあります。
意思決定の過程や判断の迷い、想定外の展開、制度上の弱点といった「生の情報」が、まだ記憶に新しいうちに共有されるため、後日整理された報告書や解説では決して得られない一次的な知見に触れることができます。
当日は、
- 苫米地英人 会長
- 川上高司 理事長
- そのほか、ポリミリに参加した与党議員もしくは専門家
が登壇予定です。
苫米地会長からは、認知戦や情報空間、国家戦略といった観点を踏まえ、今回のポリミリゲームを通じて浮かび上がった論点や課題について言及がなされます。
川上理事長からは、政策形成や安全保障の実務的視点に立ち、シミュレーション結果の位置づけや意味合いが整理されます。
また、ポリミリゲームに参加した与党議員の発言を通じて、政策判断の過程や意思決定に伴う考慮事項の一端に触れる機会が提供されます。
こうした知見は、一般に公開される場では得がたいものであり、学会員として参加することで共有される内容となります。
本ラップアップ+は、単なる結果報告の場ではありません。
日本が有事の入口に立ったとき、国家は本当に機能するのか――その問いに対する暫定的な答えを、最前線で共有する場です。
学会員の皆様にとって本会は、理論を学ぶ場から一歩踏み出し、「国家の現実」を自らの知として引き受けるための、極めて重要な機会となるでしょう。
■ 開催概要
日時:2026年1月16日(金)17:00〜18:30(受付開始16:45)
場所:衆議院議員会館(東京・永田町)予定 ※会場詳細は参加者のみに通知
対象:日本外交政策学会 会員限定(申込と同時に入会可)
参加費:20,000円(税込)
※参加費は、全額ポリミリの運営費に充てさせていただきます
※参加者には、第3回ポリ・ミリゲーム報告書を謹呈いたします
■申込方法
お申込みは、以下のページから、機密保持契約に同意していただいた上、お名前(会員名)とメールアドレスをご記入ください。おって、支払い方法など詳細をご連絡いたします。
※締め切りは、2026年1月12日23時59分です

お問い合わせは、pr@jfpc.siteまで御願いします
