【ロンドン=坂口幸裕】7月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、米国はウクライナの安全保障面を軍事、情報共有、サイバー、その他の物質的支援で長期的に支援を、と述べた。ロシアとの和解条件が「全占領地の返還」と「戦争犯罪の謝罪」という高いハードルのまま維持されれば、ロシアは妥協できずウクライナ戦争は長期化するであろう。
「日本経済新聞」より 全文は以下よりお読みくだい
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN100NK0Q3A710C2000000/
地政学的な「潮目」が変わり始めている。
7月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、米国はウクライナの安全について、軍事、情報共有、サイバー、その他の物質的に長期的に支援をと述べた。ロシアとの和解条件が「全占領地の返還」と「戦争犯罪の謝罪」という高いハードルまま維持されれば、ロシアは妥協できずウクライナ戦争は長期化するであろう。
プーチン大統領からすれば、ワグネルの乱後、政権の掌握が至上課題となり、ウクライナ戦争では絶対に妥協できない。プーチンとワグネルのプリゴジンは一見、手打ちをしているように見えるが一寸先は闇である。プーチン大統領はさらに疑心暗鬼となり、独裁化するであろう。プーチン体制が継続する限り、ロシア国民は民衆蜂起ではなく、耐乏を選ぶ可能性が高い。
(川上高司/日本外交政策学会理事長)