地政学的要地、モルディブ―ロシアの半導体の供給地に―

モルディブがロシアへの半導体の供給元になっている。ウクライナ侵攻後のロシアの通関データを分析したところ、米国製半導体の輸入額はモルディブからが約75億円と香港を含む中国やトルコに次いで大きく、取引件数は2番目に多かった

「日本経済新聞」より 全文は以下よりお読みくだい

 インドの南西に位置する楽園の島モルディブがロシアへの半導体供給地となっている。ウクライナ戦争後1年の輸入額が、香港を含む中国、トルコに次いで高いのがモルディブだった。米インテル製などの半導体が少なくとも40万個、約5360万ドルで取引されていた。また、ロシアによるウクライナ侵攻への対応として西側諸国が一部のオリガルヒに対して制裁を科して以来、インドの南西に位置する島嶼モルディブには、ロシアの富豪オリガルヒのヨットがたびたび来航。ヨットを所有するロシアのオリガルヒにとってモルディブは魅力的な避難先となっている。

 モルディブは東京23区の約半分の98平方キロメートルで1192の島々より成る1000以上のサンゴ礁の島で成り立っている。透明度の高い海が人気で、日本からモルディブまでの、移動時間は約11時間半~14時間であるが多くの観光客が訪れている。モルディブの人口約53万人のうち外国人17.8万人と約半分近くである。

 そもそも、モルディブには約2000年前にスリランカと南インドから仏教徒が移住したが、その後、スルタン(イスラム国家の君主)が治めイスラム教の国家となっが、16世紀にポルトガル、17世紀にオランダの支配下となった。1887年にイギリスの保護領となり、スリランカのコロンボにあった総督府から間接的に支配された。1965年7月26日に主権国家として独立し国連に加盟した。1968年にはスルタンによる世襲王制を廃止し、共和国となった。最近、モルディブは2016年に英連邦離脱を宣言したが、4年後の2020年には英連邦に復帰しているが、ここ最近、中国やロシアよりになっている。

 米海軍大学委員長のアルフレド・マハンが「海を制するものは世界を制す」と説いたように、シーパワーの米英のパワーが低下している場所にランドパワーである中露が触覚をのばしている状況はまさに、地政学の復活である。

 当初の数では日本も14,125島と世界でも有数の島嶼国家である。日本は現在、シーパワー連合国の一員となっているが、今、ランドパワー国家とのフラッシングポイントとなっている。

(川上高司/理事長)